こんにちは、旅をしながらデザイナーをしているNaoです。
AIに仕事が奪われるという言説が誠しやかに囁かれたり、転職が当たり前になってきたり、大企業でも副業が解禁され始めたり、ここ数年、働き方の変化をひしひしと感じます。
筆者も数年前までは、日本の大企業で働くサラリーマンでしたが、時代の変化を察知し、時代に沿った新しい働き方をするために、現在その移行期間を過ごしています。
当時の筆者は、「このままサラリーマンやってて大丈夫か?」という悩みが尽きませんでしたが、これから紹介する4冊の本に出会い、これからの時代の働き方を考える上で大変参考になりました。
同じような悩みを抱えている若手ビジネスパーソンの方々も案外多いのではないかと思いますので、その助けとなる本をご紹介したいと思います。
ワークシスト リンダ・グラットン
世界的なヒットとなった、英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」の一人、リンダ・グラットンの「働き方」論です。
著者は、現代を人々の価値観が大きく変わる激動の時代と定義し、30年以上に渡り、世界中から収集し解析した、膨大なデータを繋ぎ合わせて、今後10年で世界中で起こるであろう変化を予測します。
著者は、テクノロジーの進化が、昼も夜もない地球規模の大きなマーケットを作り出し、先進国と途上国という枠組みが取り払われ、国籍や人種などによらない個人の能力をベースとした格差社会が進行すると予想します。
そして、そうした変化に対応するための心得を提言します。
・主体的に築く未来を迎えるため、三つの<シフト>を成し遂げることが効果的
・<第一のシフト>で目指すのは、専門技能の習熟に土台を置くキャリアを意識的に築くこと
・<第二のシフト>は、自分を中心に据えつつも、他の人たちとの強い関わりを保った働き方を見いだすこと
・<第三のシフト>は、消費をひたすら追求する人生を脱却し、情熱的ななにかを生み出す人生に転換すること
つまり、自分の情熱に則った職業に就き、そこで専門技能の習得に励み、周りの人とのネットワークを築くことがだと主張しています。
著者の予想した未来(2025年)まで、あと7年。
あとで後悔しないためにも、自分の働き方についてじっくり考えていきたいですね。
姉妹書のライフシフトも合わせてお読みください!!
未来の働き方を考えよう ちきりん
おちゃらけ社会派ブロガーのちきりんさんの「働き方」論です。
本書の要旨は下記。
あたしの主張は一貫してます。自分がやりたいこと、やってて楽しいことをやればいい。それだけ。投資効果とか、将来のために我慢すべきとか、人生をそんなふうに設計するのは変だってば。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) June 23, 2013
ご本人自身も、大学卒業後、証券会社に就職。アメリカにMBA留学し、帰国後は外資系企業で働く。その後、40代で退職し、現在は執筆家をしているといったように、ご自身がやりたいことをその都度やるといった生き方をされています。
変化が激しく先の読めないこの時代に、自分達の親の世代のように、定年まで一つの会社で働くことは現実的ではありません。
そして、本書では”最初から「職業人生は2回ある」という発想する”という提言をされています。
この、「一生の間に、2パターンの職業人生をおくる」という考え方は、寿命が延びる中で正解の見えない時代を生きる人にとって、様々なメリットがある、とてもいい案だと私は考えています。
職業選びにかかわらず、入試だってゲームだって何かへの挑戦だって、一発勝負では無用に緊張しますよね。勝手もよくわからないし、自分がどれくらいそれを巧くやれるのかも、よくわかりません。失敗した時のリスクも大きすぎて、どうしても安全な道を選びたくなります。
でも、チャンスは2回ある、1回失敗しても、もう1回やってみられる、もしくは、最初にいろいろ試して、2度目はそこからの学びを生かしてよりよい選択をすればいいと考えれば、一発勝負とは異なる感覚で働き方を選べます。
今でも、結果的にふたつの職業を体験する人はたくさんいます。でも、ここで勧めているのはそうではなく、一生の間にふたつの異なる職業人生を選べるのだという意識を、最初からもつという方法です。そうなれば、働くスタイルや職業の選び方が今までとは大きく異なってくるはずなのです。
こうした考え方をしていれば、社会の変化を前向けに捉え、ちきりんさんのように色々な可能性を楽しむことができますね!
モチベーション革命 尾原和啓
執筆家・IT批評家の尾原和啓さんによる、ミレニアム世代(文中では「乾けない世代」と表現)の働き方論です。
著者によると、働く上でのモチベーションが、ある世代を境に変化していると言います。
団塊世代より10年以上も上の彼らは、戦後の何もなかったころに、欲望と共に成功に向かって駆け抜けました。お金を稼ぎたい、広い家を建てたい、いいクルマを買いたい、きれいな女性を抱きたい。
欲望への飢餓感と上昇志向と共に成り上がっていきました。ないものを、いかに埋めるか。それが最大のモチベーションだったのです。
しかし、時代は大きくうつり、今の30代以下は団塊世代とは全く異なる価値観を持っています。生まれたころからすでに何もかもが揃っていたので、物や地位などを欲して頑張ることはない。埋めるべき空白が、そもそもないのです。
そう、あなたには生まれたときから「ないもの」がない。だから何かが欲しいと「乾けない」。だから、あなたの世代のことを「乾けない世代」と呼ぶことができます。
あなたは、出世や金銭的な成功というニンジンを目の前にぶら下げられても走らない。 だからといって本当にあなたに欲望やモチベーションがないのでしょうか?
まさに今の20代〜30代のビジネスパーソンがモヤモヤと感じていること(筆者含む)を見事に言語化しています。
そして、著者はこの「乾けない世代」が、自分のモチベーションを客観的に理解し、人生に迷いなく生き残るための考え方を本書で提示します。
その中から、筆者が特に印象に残ったものをピックアップします。
・「乾いている世代」である上の世代のモチベーションは「国」や「社会」を動かし、支えていくという「大きな枠」で作り上げられてきました。一方、「乾けない世代」のモチベーションは「家庭」「友人」「自分」という、「小さくて身近な枠」で作り上げられています
・これからは「他人から見れば非効率かもしれないけど、私はどうしてもこれをやりたい」という、偏愛とも言える嗜好性を、個人がどれだけ大事に育て、それをビジネスに変えていけるかが資本になっていく
・あなたの「好き」を突き詰めていくと、印になるアイテムが見えてくるはず。ぜひそれを身につけてみてください。「好き」を旗印にして、仲間をどんどん呼び込んでいきましょう
ミレニアル世代の特徴を的確に捉え、彼らの価値観に則り、これからの時代を生き残るための手段を学ぶことができる良書です。
これらの世代の部下の扱いに困っている上司の方も一度読むことをお勧めします!
高城未来研究所 Future Report 高城剛
(本ではありませんが)ハイパーメディアクリエイターの高城剛さんのメルマガです。
皆さん高城剛と聞くと、沢尻◯リカとの離婚のゴタゴタなどの影響もあり、半ズボンの怪しいおっさんというイメージがあるかと思います。(筆者もそうでした)
しかし、ある時オンラインメディアで何気なく彼のコラムを読んだ時に、世の中にこんなぶっ飛んだ考え方をした人がいるのか??と軽い感動を覚えました。
それ以降は彼のメルマガを購読し、すっかりファンになってしまいました。
その内容は、最新テクノロジーから世界情勢、世界の観光情報、ガジェットから人生相談まで多岐に及んでおり、高城さんの見識の深さとその守備範囲の広さに圧倒されます。
ご本人自身が、日本におけるノマドの先駆けであり、今の時代の生き方・働き方に関する多くの提言をしています。
中でも印象に残っているものをいくつかご紹介します。
・二十一世紀は個人の時代である。
・次の時代に生き残る人とは、ふたつ以上のジャンルのプロフェッショナルもしくはハイアマチュアであり、ふたつ以上の地域で活躍できる人だと思います。
・働かない選択をした結果、思いっきり遊んだり、旅行したり、本当に好きなことに打ち込んだり、僕はそういう時間の使い方を「学習」と呼んでいます。
・世界中をゆっくり旅しながら考えると、お金を持っていることと人生を楽しむことは別だと感じます。そこに僕は未来があると思ってるんですよ。
・誰になんと言われようが「好きに生きた方がいい」を実行すること。わがままとは違います。徹底的に自分と向き合ったあとで、俯瞰的に世界を見た上での自由と、ただ、好き放題に生きる自由とは、まったく異なるのです。
・人間誰しもお金や時間だけではなく、「無心で好きになれること」を見つけられるかどうか、がもっとも人生で大切である、と常々僕は思っています。
コーヒー1杯の価格で、他者とは違う面白い視点に毎週触れることができるので、彼のメルマガ購読はオススメです!!
また、過去のメルマガのコンテンツをまとめた書籍も出ているのでこちらもどうぞ!
まとめ
以上、目に見える働き方の変化が到来しつつあるこのご時世に、道標となる4冊の本を紹介させて頂きました。
ドラクエを攻略するために攻略本が必要なように、今後の人生を攻略していくために、旧来の働き方に関する考え方を取り払い、新しい時代の働き方に触れることのできる攻略本がこれらの本です。
いつの間にか時代に取り残されることを避けるべく、ぜひこれらの本を一度読むことをお勧めします!